第244章 用があるならはっきり言え

「橘凛」

橘宗一郎は努めて声を和らげ、微かな媚びすら滲ませて口を開いた。

「父さんだ。夜分遅くにすまなかったな」

「単刀直入に言って」

橘凛の声音は平坦そのもので、白々しい前置きを冷酷に切り捨てた。

橘宗一郎は言葉に詰まり、あからさまに顔を強張らせたが、なんとか気を取り直して言葉を継いだ。

「その……橘美姫が誤ってお前のデザイン画を使ってしまった件だが、父さんも事情は把握している」

「今回のことは、確かに橘美姫の不手際だ。あいつは本当に弁えがない! 父さんからも代わりに謝罪しよう」

彼はそこで言葉を区切り、自らが得策と信じて疑わない条件を提示した。

「いいか、これはあくまで...

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